ボードゲームレビュー「ワイナリーの四季 完全日本語版」
突然ですが、あなたはワインを飲みますか?
一口にワインと言っても、赤ワインや白ワインなど、いろいろな種類がありますよね。
日本でも、毎年、ボジョレー・ヌーヴォーの時期になると、ニュースでも話題になるので、その時だけ飲むという方もいれば、料理でよく使うよという方もいることでしょう。
ちなみに、べーやんは、お酒があまり得意ではないので、もっぱらぶどうジュース派です(笑)
ワイナリーを立て直す経営戦略ボードゲーム
「ワイナリーの四季」は、亡くなった両親からすっかりさびれてしまったワイナリーを引き継ぎ、経営者として畑の管理やワインの出荷など、四季を通じて、建て直していく、ワーカープレイスメントタイプの経営戦略ボードゲームです。
今回、ご紹介している「ワイナリーの四季 完全日本語版」は、『ヴィチカルチャー エッセンシャル版』にあたり、ヴィチカルチャー第2版に拡張セット「トスカーナ」の中から一部のカードを選りすぐって加えたバージョンとなっています。
そのカードの選定にあたっては、「アグリコラ」のデザイナーであるUwe Rosenbarg氏が監修しています。
製品情報
製品名 | ワイナリーの四季 完全日本語版 |
ゲームデザイン | Morten Monrad Pedersen, Jamey Stegmaier, Alan Stone |
対象年齢 | 13歳以上 |
プレイ人数 | 1~6人 |
プレイ時間 | 45~90分 |
販売元 | 株式会社アークライト |
四季に応じた作業を行おう
それでは、実際にボードゲーム「ワイナリーの四季 完全日本語版」を広げながら、ざっくりとではありますが、ルールやゲームの流れを見ていきましょう。
プレイヤーは、ワイナリーの経営者です。
「ワイナリーの四季」では、タイトルにもある通り、一年を1ラウンドとして、春夏秋冬、四季に応じて、ブドウの木を植える、ワインを作るといった作業を行って、さびれてしまったワイナリーを建て直すために奮闘します。
まずはじめに、ゲーム開始時の状況が下の画像です。
個人ボード
各プレイヤー毎に個人ボード(ワイナリーボード)があります。
これが、自分が経営するワイナリーですね。
個人ボードには、ブドウ畑や圧搾場、ワインを作るためのセラーなどがあります。
ただし、ゲーム開始時は、さびれてしまったワイナリーであるため、施設などは、ほとんど使用できない状態となっております。
施設を使えるようにする方法は、後程、ゲーム盤の紹介時に説明します。
ゲーム盤
つづいて、ゲーム盤を見ていきましょう。
勝利点表
「ワイナリーの四季」は、得点を競うボードゲームで、ゲーム盤下部に勝利点表があります。
ゲーム開始時は、全員0点スタートです。
この後紹介するカードの効果により、勝利点を消費するものもあるため、勝利点表は、ー5~25点となっております。
4種類の山札
ゲーム盤上部には、4種類の山札があります。
カードの色 | 名称 | 枚数 | 詳細 |
---|---|---|---|
緑 | ブドウの樹カード | 42枚 | 黒ブドウや白ブドウのいくつかの品種のカード |
黄 | 夏季訪問者カード | 38枚 | イベントカード |
紫 | 注文カード | 36枚 | 注文カードに記載されているワインを納品することで特典が得られる |
青 | 冬季訪問者カード | 38枚 | イベントカード |
ゲーム盤中段
ゲーム盤中段には、「起床計画表」「夏季アクションエリア」「冬季アクションエリア」「付加価値表」があります。
これらについては、この後、ゲームの流れに沿って、順番に説明していきます。
ゲームの流れ
それでは、ゲームの流れについてご紹介していきます。
ゲームを始めるにあたり、各プレイヤーに、ママカード、パパカードをランダムで1枚ずつ配ります。
ママカードとパパカードには、それぞれ相続内容が記載されています。
ママからは、「2人の労働者コマ」と「何枚かの手札」が、パパからは、「親方コマ」と「お金」そして「追加のお金」もしくは「施設」を相続します。
ちなみに、上級者向け選択ルールとして、パパ・ママカードをそれぞれ2枚ずつ配り、各プレイヤーがそれぞれ1枚ずつ選択するというものもあります。
個人的には、こちらの上級者向け選択ルールの方がやりやすいかなと思います。
相続した親方コマ、労働者コマ、施設があれば施設を個人ボードに配置します。
ワイナリーの四季は、ワーカープレイスメントタイプのボードゲームと言うことで、この親方コマと労働者コマがプレイヤーの行動力となります。
1年を示す「ラウンド」を繰り返すことで、ゲームは進行していきます。
ラウンドは、5つのフェイズに分かれています。
- 春フェイズ
- 夏フェイズ
- 秋フェイズ
- 冬フェイズ
- 年末フェイズ
順番に各フェイズでできることを見ていきましょう。
春フェイズ
春フェイズでは、そのラウンドでの、各プレイヤーの行動順を決めます。
親から時計回りの順に、ニワトリコマを、ゲーム盤の起床計画表(ゲーム盤中段の左側)に配置します。
この起床計画表の上のプレイヤーから行動することとなるので、とにかく先手を取りたいから他のプレイヤーよりも上段を狙うのか、はたまた、順番よりも効果狙いでいくのかという駆け引きになります。
夏フェイズ
つづいて、夏フェイズでは、順番に労働者コマ、もしくは、親方コマを配置してアクションをしていきます。
ブドウの樹購入アクション | 緑カードを引く |
ブドウ販売/畑売買アクション | 圧搾場のブドウを売却/畑の売却 |
観光客アクション | 銀行から2リラ(お金)を貰う |
建設アクション | 個人ボードの施設建設 |
植樹アクション | 畑にブドウの樹を1枚植える |
夏季訪問者アクション | 手札の黄カードを使用する |
夏フェイズでは、上記のアクションが行えます。
ただし、プレイ人数により、そのラウンドでアクションを行える人数に制限があります。そのため、他のプレイヤーにやりたかったアクションをされてしまい、自分はそのアクションができないということが発生します。
そんな時に役立つのが、親方コマ!
親方コマは、人数制限を無視して、そのアクションが行えるのです。
ちなみに、この後の冬フェイズでも夏フェイズと同様に労働者コマを使用してアクションを行うため、夏フェイズで全てのコマを使用してしまうと、冬フェイズで何もできなくなってしまうので、しっかりと計画を立てる必要があります。
夏フェイズでやりたいことを終えたら、パスをします。
全員がパスになったら、次の秋フェイズに移行します。
秋フェイズ
秋フェイズでは、手番順に、夏季、もしくは、冬季訪問者カードを引きます。
冬フェイズ
続いて、冬フェイズに移ります。
冬フェイズは、夏フェイズと同様にアクションを行って行きますが、行えるアクションが下記に変わります。
冬季訪問者アクション | 手札の青カードを使用 |
受注アクション | 紫カードを引く |
収穫アクション | 自分の畑からブドウを収穫 |
醸造アクション | 圧搾場のブドウを醸造して、ワインを作る |
労働者訓練アクション | 4リラ(お金)を払って、次ラウンドから使用できる労働者を1人追加 |
出荷アクション | 注文カード(紫カード)を使用し、ワインを出荷して勝利点を受け取り、付加価値表を進める |
その他アクション
なお、夏季/冬季フェイズでは、紹介したアクション以外に、下記の2種類のアクションを選択することもできます。
市場アクション | 1リラ(お金)を受け取る。 ※このアクションマスは、常に空いているとみなす。 |
農耕馬アクション | ブドウの樹の引き抜き、もしくは、ブドウの収穫 ※ただし、農耕馬を保有中のプレイヤーのみ |
年末フェイズ
そして、全員が冬フェイズをパスしたら年末フェイズになります。
- ブドウとワインの熟成
- 労働者コマを戻す
- 付加価値表に応じてお金を貰う
- 手札を7枚までにする
- 親マーカーを反時計回りに渡す
これで1年(1ラウンド)経過したので、また春フェイズから順番に進行していきます。
勝利条件
いずれかのプレイヤーの勝利点が20VPになったラウンドの終了時にゲームが終了します。
そして、ゲーム終了時に一番勝利点が高い人が勝利者となります。
相手の動向を見極めつつ計画を立て、勝利を目指せ
経営戦略ボードゲームということで、相手の動向を見極めつつ、計画を立て、勝利を目指します。
計画通りにいかないことや、思わぬハプニングに悩まされ、逆境になることもありますが、それがまさに経営と言う感じですよね。
「ワイナリーの四季」には、一人用のモードも用意されているので、一人でも楽しめるボードゲームとなっています。
ボードゲームがしたいけど、今すぐには一緒に遊べる人がいないなんて時に、一人で遊べるボードゲームがあると良いですよね。
また、ゲーム盤面に「手順早見表」や各アクションの説明が記載されているので、ゲーム中にルールが分からなくなってしまっても、即座に確認できる為、普段ボードゲームをやっていない方でも、比較的やりやすいボードゲームだと感じます。
ワイナリーがモチーフということで、ワインやぶどうジュースを飲みながらやると、さらに雰囲気がでて、より一層楽しめるかもしれませんね。
まだ、ワイナリーの四季を未プレイの方は、これを機に、ぜひ遊んでみてはいかがでしょうか。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません